地下鉄(MRT)のシティホール駅からラッフルズのショッピングモールに入り、通りを挟んだラッフルズホテルへ。
うっそうとした庭木につつまれて建物の全体像がなかなか見えない。
本当に屏はすべてツタに覆われていてしたの漆喰が見えないくらい。でも決して汚らしくはない。植物の若葉がよく出ているせいか、清々しいくらい。
背の高い木の多くはシンボルにもなっている白いプルメリア。日本で売っている鉢植えのプルメリアからは想像もつかないくらいの力強さ。熱帯で本領発揮しているという感じ。残念ながら香りはあまりしない。
正面玄関にまわるとポルシェ、ジャガー、フェラーリなどの高級車がならび、それを案内というか護衛という印象を受ける名物のインド系の大男のドアマンが炎天下で案内している。髭面の大男だけど真っ白な制服をぴしっと着こなしていて不思議と暑苦しさを感じさせない。本当は写真でもとってみたかったけど雰囲気に気圧されて遠慮した。子どもでも連れてればだしにして写真をとってただろう。
それとエントランスの車道が砂利だった。メンテナンス面倒だろうに。
到着したのがもう14時すぎだったのでティフンルームのカレーブフェも終わっていたため、ハイティーの時間になるまで中を散策。
廊下が大理石なせいかなんとなく涼しい。
宿泊客とは限らないだろうけど周りは金持ちそうな感じがする。すれ違う時も一時期公共広告機構が流行らせようとした江戸振る舞い?なんかマナーというか自然と周りとのすれ違い時とかお互い気を遣っている気がする。
まずはトイレを使ってなんとなく制覇した気になってからホテルショップへ。特に気になるものはなかったけどラッフルズのキーホルダーみたいだの、ドアマンの人形だの結構観光観光した感もある。でもセンスのよさげなビジネス小物だのあった。旅行用の皮の入れ物に入った靴磨きセットはちょっと惹かれた。4000円くらいで手が出ないわけではないが、他にも目的があったのでやめといた。
目的はティフンルームに入ってとりあえずコーヒーでもというところだが、まずはシンガポールスリング発祥のロングバーへ。
2階に上がりなんとなく歩いたら看板が見えた。敷居が高いのかちょっと気になったが、
覗き込んだらすぐに声をかけられてどこでもいいから座れというので中に入り込んだ。
店内は薄暗く一瞬視界が暗くなったら何かをバリバリ踏んでぎょっとする。正直踏んだ感覚からまさかゴキブリでは!!と思ったが落花生のカラ。
なんだこぼしたんかいなと思ったら床全体に広がっている。テーブル、カウンターに枡が置いてありそこにから付きの落花生が山盛りになっている。どうやらそれを食べたら床に捨てる風習らしい。
そういえば昔取引先の方にそんなことを聞いた様な。
席につき早速注文。目当てはシンガポールスリングではあるのだが、こちとらあいにく下戸と来たもんで、シンガポールスリングをアルコール抜きでできないかと聞いてみるとオフコースとのこと。
指差した先はその名もヴァージンスリング。ちくしょう俺が童貞にみえやがるかと思いつつも、なんとなく口に出すのも気恥ずかしく笑顔で指差し注文。シンガポールのねえちゃんも笑顔でOK。
シンガポールはムスリムだっているわけだからノンアルコールだって恥ずかしくはないさと思いつつもこの年齢・外見でヴァージンもねえよなと思いながら落花生をつまんでみる。
ずいぶんちっこい。千葉産・
秦野産の半分だろう。渋皮も白く薄くあんま気にならない。あまりしつこくなく少し香ばしさが残って食べやすい。いや、食べ応えがあまりない。これを食い尽くして昼夜を浮かすのは無理だな。最初どきどきしながら床にからを捨ててつい自分の靴の上に落としてみて払ってみたり気付くとズボンの上にカスがたまったりしてしまう。あとはなんというのだろう罪悪感というか後ろめたさを感じてしまうのが昔流行った小市民的なところで情けない。それなのでわざと落としたカラを踏ん付けて確認したりしてみたがそれもまた小市民的だったりする。
シンガポールスリング改めヴァージンスリングが来た。見た目は全く変わらない。周りを見回すとやっぱどっちかスリングの割合が多い。7割りはそうだ。
味はパイナップルの甘さが効いてさっぱりする。ずいぶん歩いたから甘さが疲れにしみる。このままいついちゃいそう。
ちょっと落ち着いたので周りを見回すと白人が多いな。ツアー客みたい。胸にシールを貼っている。意外と子連れも多い。
天井を見上げると、よくこういうコロニアル調の建物だと上に扇風機がゆるゆるまわっているもんだけど、ここはシュロの葉のうちわがゆるゆる船のオールみたいに動いている。うーんゆっくりできる。気付くと落花生が腹で膨れて来た。ハイティーと洒落込もうと思ったが、マフィンやらもいっぱい食らい尽くして晩まで持たすつもりだったのにこれではあまり入らんかもな。
子供の頃親がから付きの落花生を買ってくるのがいやだったな。非力でからがむけなくてかじって割ってた気がする。我が子らも食い意地と落花生のからと戦う日がくるのだろう。そろそろ帰りたくなって来た。